大杉栄『近代思想』あとがき、アナルシストとしては何事もしていない

1914年 5月27日 

大杉栄 <大久保より> 「……此の雑誌のあまりの馬鹿々々しさに、もうとても堪えられなくなった……僕等自身の手淫的満足と、同志の間の連絡維持とは、多少果たす事が出来た。しかし僕等は、アナルシストとして又はセンジカリストとして、積極的には何事もしていない。……労働雑誌の創刊を企てた……僕は、鎌倉の土地にあきが来たのと、……此の月末に、もとの大久保の家即ち社に帰って来る。社には今寒村がいるのだが、寒村は社の隣のもとの家にかえる。そして其処に入っていた安成二郎は、何処か近所にひっこす事となった。」 『近代思想』6月号