1909自由思想1910宮下太吉逮捕1919大杉殴打1923大杉林倭衛宛書簡  

1909年 5月25日『自由思想』創刊、管野須賀子、幸徳秋水
  
 管野須賀子 二号「ぬきが記」より

 初号発行の当日なり△予て用意の「平民社」の看板を懸け早朝から室を清めて差押えを待つ…新宿署の高等刑事徳元君が差押さえ命令書を携え来り残部八十六部押収して帰る秩序壊乱で発行兼編集人の私は告発された△国木田治子女史発行のお祝いを持って来て下さる、帰途例の通り巡査に捉って「これはおもちゃですよ」

1910年 5月25日  
宮下太吉、弾圧逮捕される

1919年 5月25日 大杉栄、午後3時 千葉県葛飾村 富士山三郎方物置場前 同村駐在巡査安藤清か巡回の際大杉は他の尾行巡査に対する余憤を以て同巡査を鉄拳を以て左頬を殴打 治療十日 を要する傷害を加えたる……(官憲史料より)


1923年
5月25日 
大杉栄、林倭衛宛書簡
「きのうの朝放免と同時に警視庁へ連れて行かれて、すぐ国境まで出ろという命令を受けた。……最初はスペインの国境以外には行けないということだったが、最後にマルセイユまでときまって、8時のラピッドにガール・ド・リヨンまで送られて来た……はなはだ相済まないが、友人諸君から金を集めて日本までの船賃をつくってくれないか。……ヨンにある荷物も取って来て欲しい。外にもいろいろ頼みたいことがある。……リヨンへ寄ったらEliisee ReclusのL'H0mme et la terre(ルクリュ『地人論』)というのの古本を買って来てくれ。二百フランばかりだ。……それから裁判所から受取ったケースの中に、予審判事が(この事実は弁護士も知っている)証拠物件として持ち出した、日本文の手紙や原稿なぞがはいっていない。これは弁護士と相談して、貰えるものなら貰って来てくれ。……僕の拘引以来の、僕に関する新聞記事をあつめて貰ってくれ。……二十五日正午。栄 倭衛兄 僕の拘引のために、いろいろ迷惑をかけた人達によろしくおわびを願う、ことに警視庁まで連れて行かれた人達に……」