1916年 大杉栄、「立太子礼」に向けて悪戯の相談

1916年 10月28日

 官憲資料より

 大杉栄……近来自己に対する警察側の処遇苛察に渉り諸事圧迫的の態度ありと憤慨し11月3日当日挙行あらせをるへき立太子礼を機とし何等か異常の行動に出て警察当局をして狼狽せしめ以て復習的手段に出つると同時に従来沈衰せる同志の志気を鼓舞する所あらんと発意し10月28日同志吉川守国、渡辺政太郎、村木源次郎、荒川義英等と大杉栄の宿所にし立太礼当日同志八、九名連合して行啓御道筋に出かけ警護線を騒擾せしむるか若は同志随所に所在を晦まし又は恰も事ありけに同志間を往来して警察を狼狽せしむるの行動に出らんと談合し越えて11月1、2日両日に渉り村木源次郎に旨を含めて同志有吉三吉、五十里幸太郎、吉川守国、荒川義英、渡辺政太郎等の間を往来し連絡を計らしめ