1916年 大杉栄、伊藤野枝宛書簡

1916年5月8日 大杉栄より伊藤野枝宛書簡「……正午頃から珍しく孤月におそわれた。……あした安成二郎がそちらへ行くと言っているから、それと強制同行をしたらどうだとすすめている。二郎は、ゆうべやって来て、保子に対する僕の心持ちを『女の世界』に書いてくれと言うのだ。それはおことわりして、ほんの少しだけ話をしておいたが、きょうは神近のところへ行ったはずだ。……孤月と強制妥協して、次のごときハガキを『読売』へ送るつもりで書いた……また今、二郎が来て、とうとう書くことに約束した。あしたの朝八時の汽車で行くそうだから、この手紙は持って行って貰うことにした。」